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東京地方裁判所 昭和43年(むのイ)417号 決定 1968年7月05日

主文

内城憲治に対する監禁被疑事件につき、東京地方検察庁検察官平野新が昭和四三年六月三〇日した別紙のとおりの接見等に関する指定を取り消す。

理由

一請求の趣旨と理由

請求人の準抗告申立書のとおりであるから、これを引用する。

二判断

事実調の結果によると、内城憲治は、監禁被疑事件で、昭和四三年六月二八日逮捕され、同月三〇日付の検察官の請求にもとづき同日勾留されたこと、同月三〇日東京地方検察庁検察官平野新が刑事訴訟法三九条三項により別紙のとおりの接見等に関する指定をしたことが明らかである。

右の指定がなされると、指定書は被疑者および監獄(または代用監獄)の主務者に交付されて、被疑者と弁護人の接見等が事実上制限されることになり、弁護人は、申出によつて検察官から具体的に接見等の日時、場所および時間を定めた指定書の交付を受け、これを持参することによつて、接見等の目的を達することができるというのが運用の実際である。

このように、事実上接見等の一般的制限をともなう指定をすることは、のちに具体的指定により接見等の機会がつくりだされることを予定しているとはいえ、同法三九条一項および三項(同項は、弁護権行使上の利益と捜査活動上の利益との調整をはかつたもので、それ相当の合理的理由があるから、憲法三四条に反しない。)の文理にそわないだけでなく、類型的にみて弁護権の行使を不当に制限することになるおそれがあるから、許されないものと解される。

よつて、刑事訴訟法四三〇条、四三二条、四二六条二項に従い主文のとおり決定する。(柏井康夫)

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